まどろみ(3)枕元の言葉は、私の静かな味方だった

眠る直前に思いつくこと。言葉を手に取ること。
花輪えみ 2025.09.07
誰でも

こんばんは。ニドネの花輪えみです。
今日は朝からたっぷり外出をしていて足も精神も疲弊気味です。

今夜のお供はファミマのアールグレイ。今回の「まどろみだより」は夜寝る前、枕元に置いておきたくなる言葉の話です。

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私は、眠るまえの時間がとても好きです。

起きているのか、夢を見はじめているのか、そのあわい。意識が曖昧になるあの瞬間にだけ、ふっと思い出す言葉や場面があります。

たとえば、数年前に誰かが言ってくれたひとこと。読みかけの本の一節。あるいは、言葉にならないけれど、ずっと自分の中で形にならず漂っている感情。

眠る前にだけ滲むように浮かびあがってきます。

どうにかしてそれを捕まえたい、でも捕まえられない日がつづきます。

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枕元に置きっぱなしにしているものがあります。スマホ、本、ZINE、何かの説明書。

大抵は少しだけ読んで眠気に負けてしまうのですが、その行為が自堕落な生活を少しだけ肯定してくれるような気がします。

たとえ5行しか読まなかったとしても、言葉と一緒に眠れる余白を持っている自覚をうんで安心感を与えてくれているのかもしれません。

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思えば、昔からそうでした。寝る直前に書いた文章を「こんなもの見ていられない」と消し、その晩まぶたを閉じる直前に思い浮かべたものを走り書きして眠る。

書くことと眠ることは、いつも近くにあった気がします。

正直に言葉にできた日も、抱えたまま眠る日も。枕元の言葉は、私の静かな味方でした。

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眠る直前、手繰り寄せる言葉。それだけで一日をやわらかく終わらせられる気がします。

あなたの枕元には、どんな言葉が置かれるのでしょうか。

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それでは、よい眠りを。おやすみなさい。

花輪えみ(ニドネ編集長)

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