まどろみ(4)“やさしい編集”を考えてみる
こんばんは。ニドネの花輪えみです。
今日のお供は、朝寝坊して、雑に淹れたアイスティー。今回の「まどろみだより」は、“やさしい編集”のお話です。
編集という言葉には、どこか「整える」「削る」「まとめる」といったキリの良さのようなニュアンスがある気がします。
でも私は「編集=整えること」だけではないと思っています。むしろ、こぼれそうなものを受け止めることだったり、まだ言葉になっていないものを待つことだったりも。
そういう、もっとゆっくりとした編集もあっていいはずだと感じるのです。
私は人の文章を読むとき「この人の言いたかったことは、きっとこっちかもしれない」という輪郭のぼやけたものを想像します。削るよりも、寄り添うように読んでみるのもよいものです。
それはたぶん、自分自身が「うまく書けなかった日」を知っているから。取りこぼした言葉や、言い切れなかった感情にも、その人らしさは確かに宿っていると信じているからです。
だから私は「編集=正すこと」とは思っていません。言葉を語る人が自分らしくあれる言葉を残すこと、それがやさしい編集の本質なのかもしれないなと思っています。
いまはまだ言葉になっていない気持ちや、書きかけのまま眠るメモがあるかもしれません。
無理に整えなくても、そのまま、ただそばに置いておくこと。それもひとつの編集です。
それでは、よい眠りを。おやすみなさい。
花輪えみ(ニドネ編集長)
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